第7章 ゴムのコラム
12.卓球 - ゴムが生み出す金メダルの技 –
東京オリンピックで水谷隼・伊藤美誠ペアが見事金メダルを獲得したのも記憶に新しい卓球ですが、この卓球でも、ゴムが大きな役割を果たしております。
卓球が誕生した当初は木製のラケットを使用しておりましたが、あるときラケットの表面にゴム板を貼った選手が現れ、瞬く間にイギリスの頂点に立ちました。
それ以来、今でもラケットにはゴム板を貼るのが定番となっており、このゴム板のことを「ラバー」と呼んでおります。
卓球のラバーの構造は、直接ボールに触れるゴムシートと、ラケットとゴムシートの間に入るゴムスポンジとの2層構造となっております。
ゴムシートは、天然ゴムと合成ゴムの材料を一定の比率で混ぜ合わせ、架橋させて作ります。
またゴムスポンジは、天然ゴムと合成ゴムの材料に発泡剤を加え、独立気泡のスポンジに仕上げます。
ただし具体的な製法については各メーカー独自の秘密があり、特にラバー表面の加工方法に関してはとりわけ重要度が高く、門外不出の情報となっております。
理想のラバーは、鋭い回転がかけられ、速い球を打てるラバーですが、この2つの要素は対立するため、どのようにバランスを取るかは、ラバー作りの大きな課題となっております。
なお卓球のラバーのメーカーは、主に日本・ドイツ・中国といった、卓球が盛んな国に点在しており、絶えず技術競争に凌ぎを削っております。
卓球のラバー市場は、2019年に日本だけでも50億円市場に成長しており、最近大手スポーツメーカーのミズノが新たに参入するなど、活況を呈しております。
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