第5章 ゴムの添加剤(配合剤)
4.充填剤
充填剤は、補強・増量・特殊機能の付与などの目的で原料ゴムに加える添加剤(配合剤)です。
充填剤はその目的により、以下の3つに分けられます。
1)補強性充填剤
ゴムの架橋構造を補強するための充填剤です。
代表例は、カーボンブラックやシリカです。
今までは歴史が古く、低価格のカーボンブラックを使うことが多かったのですが、例えば最近の低燃費タイヤのように、転がり抵抗が少なく、濡れた路面でのグリップ性能が良くなるシリカを使うことも増えてきております。
ただしシリカの場合、そのままでは原料ゴムに混ざりにくいので、一緒にシランカップリング剤を混ぜる必要があるなど、カーボンブラックに比べて取り扱いが難しいのが難点です。
2)非補強性充填剤
代表例は、炭酸カルシウム(石灰)です。
適切な量を入れることにより、ゴムの物性を損なわずにゴムの量を増やすことができます。
合成ゴムは、主に石油から精製したナフサから作られますので、原料を無駄なく使いながらゴム製品を作っていくことは、限りある資源である石油を有効活用するためにも大切なことで、その点からも重要な添加剤(配合剤)と言えます。
また同じく非補強性充填剤のタルクは、ゴムの練り生地の潤滑性を増し、製造の際に練り生地を扱いやすくします。
3)機能性充填剤
ゴムに導電性や磁性など、特殊な機能を持たせるために入れるものです。
なお詳細につきましては、「お問い合わせ」フォームやお電話にて、お気軽にお問い合わせ下さい。