第7章 ゴムのコラム
9.タイヤが黒いのは当たり前?
自動車にとって欠かせない存在の一つがタイヤです。
タイヤの色といえば黒、というのが今の常識ですが、自動車が初めて作られたころのタイヤの色は白でした。
当時は、材料の天然ゴム本来の色である白を基調としていたようです。
しかしこのタイヤでは、次第に速度や航続距離を伸ばしていく自動車の性能に耐えられなくなってきました。
そこで1920年代に、タイヤへ炭素の微粒子であるカーボンブラックを混ぜる技術が考案され、耐久性などを劇的に向上させていき、黒いタイヤは今日ではすっかり一般的になっております。
しかし最新の低燃費タイヤでは、カーボンブラックに代えて、転がり抵抗が少なく、濡れた路面でのグリップ性能が良くなるシリカをかなりの割合で混ぜることが多く、理論上は黒以外の色付けも可能になってきております。
しかし、黒にすると紫外線によるゴムの劣化が防げ、汚れも目立ちにくいことから、黒以外のタイヤは、中々一般的にはならないようです。
なお一般的なゴム部品の場合は、安価でありながら耐久性を飛躍的に高めるカーボンブラックを加えることが多く、特別に色付けをしない限りは黒い色になることが多いです。
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