第7章 ゴムのコラム
8.二次加硫
多くのゴム材料は、成形時での1回の架橋(加硫)処理でゴムになりますが、一部のゴム材料の場合、2回目の架橋(加硫)処理が必要になります。
この2回目の架橋(加硫)処理のことを、二次加硫と呼びます。
二次加硫を行う理由は、ゴム材料の種類により以下の4つに分かれます。
1)シリコーンゴム(VMQ)
一次加硫後のゴム内に残るパーオキサイド架橋(加硫)剤や、低分子量成分(環状シロキサンなど)を除去します。
これらの物質がゴム製品に残ってしまうと、絶縁性を低下させたり、接点不良の原因となるため、必ず二次加硫を行って除去します。
2)フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)
一次加硫だけでは架橋(加硫)が完全に終わらないため、架橋(加硫)を早く終わらせるために二次加硫を行います。
3)水添ニトリルゴム(H-NBR)
一次加硫の時点でゴムに残る架橋剤(加硫剤)のパーオキサイドを二次加硫で取り除き、ゴムの性能を向上させます。
4)エチレン・プロビレンゴム(EPDM)
一次加硫の時点でゴムに残る架橋剤(加硫剤)のパーオキサイドが臭いの原因となるため、二次加硫で取り除きます。
二次加硫の方法ですが、ある程度の高温(100℃~250℃)の下に一定の時間(10分~24時間)置き、熱処理を行います。
恒温槽(オーブン)に入れておくのが一般的な方法です。
なおこの二次加硫ですが、時間をかけすぎると熱老化が進み、ゴムが劣化しますので注意が必要です。
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