第7章 ゴムのコラム
2.ゴム金型の食い切り加工
ゴムを成形する場合、プラスチック(樹脂)の成形とは異なり、作りたいゴム成形品の大きさより多くのゴム材料を金型へ入れるため、成形するとゴム材料が金型から溢れ出した状態で固まってゴムになります。
この溢れ出したゴムを、バリと呼びます。
ゴム材料を多めに入れるのは、わざとゴム材料を金型から溢れさせ、成形時に発生する余分なガスを金型内部から逃がすためです。
このガスが金型内部に残ったままの状態で成形すると、成形不良の原因となり、ゴム製品の表面が荒れたり破けたりしてしまいます。
しかしゴム製品を完成させるためには、このバリを取り除く必要があります。
バリを簡単に取り除くための一つの方法が、ゴム金型への食い切り加工です。
ゴム金型の成形品部分の周囲に食い切り溝を施す加工のことで、バリとゴム製品との境の部分が極めて薄くなるため、手作業で比較的簡単にバリを取り除くことができるようになります。
この方法の欠点は、後から金型修正や金型改造を行おうとしても、この食い切り溝が邪魔になり、修正や改造がほぼできなくなることです。
しかし手作業で簡単にバリが取り除けるのは大きな利点であり、コストの面からも、この方法は一般的に使われております。
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