第7章 ゴムのコラム
1.ゴムのリサイクル
ゴム製品の大半は、元に戻らない(不可逆的)化学反応である架橋(加硫)により製造されているため、一般的には、再び原料ゴムとしてリサイクルすることは困難です。
しかし、近年のリサイクル運動の高まりにより、ゴム業界でも、以下のようなリサイクル活動に取り組んでおります。
1)廃タイヤの代替燃料化
ゴミ処分場で焼却ゴミを燃やすための燃料の代わりとして、廃タイヤの利用が進みつつあります。
すでに廃タイヤのおよそ6割が、この目的で使用されております。
2)更生タイヤ
廃タイヤの一部(全体の5%程度)が、摩耗の激しいトレッド部分のみを交換して再生させる、更生タイヤとして生まれ変わっております。
3)(熱可塑性)エラストマーの利用
プラスチック(樹脂)と同様に、熱処理によるリサイクルが可能な(熱可塑性)エラストマーを、一部のゴムの代わりにする試みが進みつつあります。
普及に向けた課題は、主に以下の通りです。
①力学特性が固体のゴム材料より劣るため、力のかかる用途には不向き。
②原料が液体のため、原料の輸送やゴム製造工場での保管や取り扱いが難しい。
③固体のゴム材料より高価。
④エラストマー生産工場以外での配合ができない。
なお詳細につきましては、「お問い合わせ」フォームやお電話にて、お気軽にお問い合わせ下さい。