第3章 ゴムの性質
23.ゴムの寸法公差
ゴムは弾性変形などの性質を持つことから、例えば金属などと同等の厳しい寸法公差で製造することは極めて困難です。
そのため、ゴム独自の寸法公差表が制定されております。
一般的に使用されるゴム製品の寸法公差表は、以下の1)2)の通りです。
なお最近では、これらの表を元に、さらに高精度の等級を独自に定める場合もございます。
1)工業用ゴム製品寸法公差表
(VDI:ドイツ技術者協会)
国際規格(ISO)が無かった時代から、一般的に使用されてきたゴム製品の寸法公差表です。
精度により、以下の3種類がございます(1級が一番高精度)
・1級(精級):特に精密な公差を要求されるゴム製品
・2級(中級):一般の金型成形品、押し出し品、ゴムシートの打ち抜き品
・3級(粗級):手加工品、精度が要求されないゴムホース、機械加工によるゴム製品
2)ゴム成形品の寸法公差表
(ISO 3302-1 Class M)
国際規格(ISO)のゴム製品寸法公差表です。
精度により、以下の4種類がございます(クラスM1が一番高精度)
・クラスM1:高精度ゴム成形品
・クラスM2:クラスM1に次ぐ高精度ゴム成形品
・クラスM3:良精度ゴム成形品
・クラスM4:寸法精度を要求されないゴム製品